気軽に行ける場所ではないですが、冒険家でなくても、一般人でも北極点へ行ける方法があります!体験談を交えながら、北極点への行き方や費用などについてご紹介します。
北極点ってどこ?
北極点は、地球の最北端、北緯90度の地点を指します。一般的に”北極”として考えられているのが、北極点を中心に緯度66度33分までの範囲の”北極圏”です。
なお、厳密にいうと、地球上には、北の「極点」が3つ存在します。
北極は、南極と違い、大陸ではなく約3分の2が海。北極点も海の上にあります。冬の間に海の海水が氷り「海氷」になります。毎年2月下旬から3月上旬ごろには最大、約1500万平方キロメートルに達し、北極海のほぼ全体を覆い尽くします。この広さは、オーストラリア大陸の約1.5倍ほどの大きさです。
海氷の深さは、数メートルで、北極海に浮かんでいます。そのため、南極点にはメモリアルポールがありますが、北極点にはそういったものを作ることができません。立てたとしても、海氷はたえず動いています。すぐに北極点からずれてしまいます。写真で見たことがある人は、北極点に行ったそれぞれの人が、その時に立てた旗や記念碑になります。
温暖化の影響を受ける北極
氷は夏の間に解けてゆき、最も小さくなるのは9月。2020年は、9月13日に、北極海の海氷面積が355万平方キロメートルとなり、この面積は、観測が始まってから、2012年に次ぎ2番目に小さい値で、2030年後半には夏の北極海から海氷が消失してしまう可能性があるという研究結果もあります。
影響を最も大きく受けるのは”北極圏に住む動植物”です。
北極圏にはホッキョクグマ、アザラシ、クジラ等、多くの生物たちが生活しています。すでに、温暖化の影響による食糧不足により、ホッキョクグマ等が餓死してしまっている北極。多くの生物たちが絶滅する危機的状況にあります。
北極点への行き方
あくまでも冒険家ではない行き方をここでは紹介します。一般人が北極点へ行く行き方は2種類です。
4~5月:飛行機とヘリコプター
6~8月:砕氷船
飛行機とヘリコプターで北極点を目指す
4~5月は海氷が厚いため、砕氷船では割ることができないため、飛行機とヘリコプターを利用します。ただ、コロナの影響もあるのか、2022年2月現在、企画されていません。ツアーの内容は、限られた季節だけ飛行機で出入りするボルネオ・アイスキャンプに滞在し、飛行機、ヘリコプター、スノーシューそして徒歩で北極点に到達します。
ノルウェー領スヴァーバル諸島の行政の中心地であるロングイヤー・ビーエンから発着しているツアーです。
旅行日数:1泊3日(ロングイヤービーエン発着)
費用:US$23,495~(2019年)
※北極の天候及び氷の状態はとても変わりやすいので、旅行期間の延期の可能性あり、注意事項でも、「北極旅行の特性上、遅延の可能性を十二分に考慮頂き、旅行終了後、一週間程度の予備日を用意しておいてください。」と書いてあります。
日本では、下記の会社が旅行代理店となっております。
砕氷船で北極点を目指す
私が体験したのは、ポセイドン社の船で、ロシアのムルマンスクから、砕氷船に乗って北極点を目指します。20年以上前から添乗員付きの日本発着ツアーを催行しています。2022年に、TBS「世界ふしぎ発見!」で、ポナン社のル・コマンダンシャルコーが紹介され、ラグジュアリー船で極地へ行けるようになりました。行程は同じで、約1週間をかけて、北極点へ行き、そして戻ってきます。船内では、歴史家、冒険家などによる講義などがあります。北極点からの帰路には、フランツ・ヨーゼフ諸島を訪れました。ポセイドン社の船には、ヘリコプターが搭載されており、上空から北極の海氷を砕氷する様子も見ることができます。2023年1月現在、ロシアとウクライナの戦争の影響でポナン社のみ催行をしています。ポセイドン社の船は研究船を使っていたので、ポナン社の方が、ツアー代金が割高になります。
旅行日数:15泊〜(ロングイェールビーン発着)
費用:€29,965〜(2023年)
ツアーの詳細・持ち物等は、こちらの体験談を参考にしてください。
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北極点クルーズの行程、見どころ、持ち物まで徹底解説!
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世界最大の原子力砕氷船
現在、北極点に行ける砕氷船は、ル・コマンダンシャルコーと50イヤーズ オブ ヴィクトリー号。
50イヤーズ オブ ヴィクトリー号は、原子力の力を使って、船体を持ち上げ、氷を割って進んでいきます。ヘリコプターが搭載されており、無人島への上陸時や、上空から船が、海氷を砕氷する様子を見ることができます。
私は、この船ではなかったのですが、船の内部を防護服を着てガラス越しに原子力発電の見学もできました。ある意味貴重な体験でした!
参考(50イヤーズ オブ ヴィクトリー号)
客船タイプ:探検船
総トン数: 23,439トン
全長: 159.6m
全幅 :30m
就航年/ 改装年: 2007年
乗客定員 128名
客室数 :64室
船籍国: ロシア
現地旅行会社
※ポナン社(ル・コマンダンシャルコー)のサイトはこちらです。
※日本語サイトでは、日本人ガイドが乗る2023年7月10日現地発のみ掲載されています。