”洋々閣”は120年以上の歴史がある日本旅館。唐津ならではの文化と、新鮮な魚介類や地のものを使った懐石料理が絶品で、何度も訪れたくなる宿です。
美しい日本建築×唐津焼
建物は、明治・大正の美しい木造建築です。入口の敷をまたぐと、奥行きがある玄関。旅館のご主人に聞いたところ、人力車が玄関のたたきまで入ってきて、お客様を送り迎えしたとのこと。玄関の奥には大きな唐津焼きの花瓶に活けられた花が出迎えてくれました。建築士の柿沼守利氏が20年かけて改修工事を行い、19ある客室はすべて造りが異なります。回廊やお部屋から見える庭は、手入れが行き届き、樹齢200年を超える松が植えられています。角度によっては、唐津城も庭越しに望めます。
唐津は焼き物でも有名で、唐津焼は、古くより茶人が好み、「一楽、二萩、三唐津」という言い回しもあるほどです。館内には、様々な唐津焼が飾られており、食事のお皿も唐津焼。唐津を代表する窯の一つ「隆太窯」のギャラリーもあり、中里隆さんの作品も並んでいます。また、娘さんの中里花子さん(Monohanako)の作品もあります。窯元が同じでも、作家さんによって個性があり、作品を見ているだけでも楽しめます。夕食や朝食のお皿として、実際に使われていて、あらためてギャラリーを見るのも面白いです。もちろん、気に入った作品は購入することもできます。
地のものを使った懐石料理
夕食は、玄界灘の新鮮な魚介類や、地元の食材を使った懐石料理。唐津焼等の器に美しく盛り付けられ、目にも美味しい食事です。個人的には、お刺身と煮つけが絶品でした。料理のバランスも良く、非常に満足度の高い懐石コースでした。
朝食は、朝ご飯は出切るだけ家庭料理をと考えているとのこと。麦粥、唐津川島のざる豆腐等が並びます。旅に出ると、食事が豪華になりがち。旅疲れのお身体をやさしくいたわり、胃腸を整えてほしいという想いでお粥を出しているそうです。(上の写真は、普通のご飯です。麦粥の写真を撮り忘れました)
温浴効果の高いお風呂
お風呂は、温泉ではないものの、麦飯石を通したお湯が特徴です。麦飯石は、火成岩の一種。花崗斑岩と呼ばれます。古来中国では、薬用石として用いられていた石になります。柔らかいお湯で、入浴後は、温泉に入ったように、身体の芯から温まります。実際、麦飯石を通したお湯は、水道水を沸かしたお湯より、身体にお湯の温度が残る時間が長く、湯冷めしにくくなるそうです。
まとめ
建物も楽しめる純和風旅館。玄界灘の新鮮な魚介類を用いた料理は絶品で、唐津焼も楽しめます。高級旅館でありながら、どこか懐かしさやあたたかみを感じ、何度でも訪れたくなる旅館です。
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